国東半島巡り 国東町1
大谷隧道
おおたにずいどう 国東市道
大分県国東市国東町浜崎
竣工 1917年(大正6年) 延長 98m

古い隧道の情報と言うのは、思わぬところからも出てくる。

ある日、同郷の友人とチャットをしていたときのこと。
この人は僕の「マニアックなことにやたらハマる」という性格を知る良き理解者だ。

「最近旧道とかトンネルに凝ってんだよね。」というと、「出たw」とは言いつつ、
「そういえば、うちの近くにも古〜いトンネルがあった気がする」と言いはじめた。
「どこだ!」と言うが早いか僕は「ウォッちず」を起動。

「あそこの中学校からまっすぐ行った…」と、言うとおりに地図を追えば確かにあった。

「あった。うわー気が付かんかった。今度行ってくるわ。」と丁重に礼を言う。
当の本人はまさに「礼を言われるほどのことではない」だろう。



場所は国道213号線からやや入った丘陵地。
前後の道からも、現在は農作業用の道路なのだろうか。



大谷隧道 富来浦(北)側坑口

ここの手前の道路は高校のマラソン大会で通った。
横を向けばコレが見えたはずだが、覚えていないのは多分
「30km」というとんでもない距離を走っていたからだと思う。
アレは学校行事というより虐待に近かった。

坑口上の道路の整備のためだろうか、坑口周辺が全体的に改修されているようだ。



扁額は無く、代わりにどどーんと書かれている「割石地蔵尊」。
読んで字のごとく「石をも叩き割るパワフルなお地蔵さん」。

ではなく、その昔石橋を作ろうと材料の石を切り割ったところ、
中からお地蔵さんが出てきて皆びっくりしたと言う。

「割石地蔵尊」と名づけられたそのお地蔵さまは
その後大きく成長すると、悪さをする鬼を退治するため鬼ヶ島に…


すみません。途中から嘘です。




ポータルこそコンクリート製に改修されているが、中は素掘り+モルタル吹付けの
オーソドックス・クラシカル隧道スタイル。



大谷隧道 割石地蔵尊(南)側坑口

とても小さな隧道であるが、割石地蔵尊の周辺は桜の木が多く植えられ、
春には桜祭りも行われているそうだ。行かれる方は時期を問い合わせて春に。

ちなみにこのあたりは旧村名の「富来(とみく)」と今でも呼ばれている。
富が来るんだから景気がいい。

と言うことで、海岸から半島中部の文殊仙寺までを「開運ロードとみくじ」として町おこしをしている。
「富来路→富くじ」と言うわけだ。

途中の神社仏閣は「開運のご利益がある」として、最近では宝くじのシーズンになると
県外からもお参りの人々が多く訪れると言う。
例の「ソーラーカー」も通過しており、番組サイトで紹介している。オンエアは無かったが…

僕らが高校のときはそんなことも無かったんだが、どう転ぶかわからん世の中である。
地元の人たちのただならぬ努力か。

詳しくはこちら(仏の里くにさきふれあい観光振興協議会さまのページ)



ちなみに近くには宮本武蔵が若かりしころに戦ったと言う古戦場や陣を敷いた城跡もある。
(一番上の地図内にすべてあります)
NHKで数年前に大河ドラマになったときに、番組の最後に紹介されていた。
早速行ってみたが、見つけられなかった。看板もなにもないんだから…
番組見てはるばるやってきた人も多かったと思う。
「しっかりしてくれ教育委員会。看板くらい着けてくれよNHK出たんだから。」と思っていたら、
その後ちゃんと設置された。僕らのような迷い組が多かったんだろう。


なんか最後は国東市観光大使のようなレポになってしまったが、
まあ、そんな由緒正しき(?)隧道である。


おわり

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2008.2.3


犬鼻隧道
犬鼻隧道
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