耶馬渓 謎の隧道探索 改 二つ目の古隧道を探せ!@
一ツ戸隧道&旧一ツ戸隧道

謎の隧道を発見した我々は、時間がたくさん余っているので
かねてよりチョメさんから提案のあった「一ツ戸隧道」の探索に赴いた。


明治36年測図 大日本帝国陸地測量部発行5万分1地形図「耶馬渓」
(nagajisさんすみません。もう一回使わせてもらいます)

地図を中央を通っている川沿いの道が現在の国道212号線。
一ツ戸集落の西に見える隧道が目的の隧道。
東の江淵集落の北側の隧道は残念ながら現在は開削されている。


一ツ戸隧道 日田側坑口
ひとつとずいどう 国道212号線
大分県中津市耶馬溪町一ツ戸
竣工
改修
1956年(昭和31年)
1980年(昭和55年)
延長
(改修後)
48m
71m


この隧道は改修によって延長が伸びている。大幅に。
これは元々急な崖に掘られた隧道でよく見られる工法である。
落石の直撃を防ぐために箱型に隧道を「足す」ことで安全を図っている。
ロックシェッド(落石覆工)を足したりもする。

徒然なるままに絵を描いてみた。
赤が改修ね。もちろん隧道内径拡幅も伴う。

なんて分りやすいんだ…
今度の社内技術発表会で使おう。


で、なにが探検なのか?

バリバリ現役の隧道ではないか?

実はお恥ずかしいことに、管理人である僕は、
「ここに旧隧道がある」という情報すら知らなかった。

なんとココには江戸時代の隧道の記録があるのだ。


これこそがチョメ氏持込の探検、「旧一ツ戸隧道探索」である。




実はチョメさんも多くの情報を持っているわけではなかった。

・現一ツ戸隧道の脇から入っていく道にある。 
・近くに城址、神社がある             
・とにかく岩盤をくりぬいた隧道である      

以上のことに該当する道といえば、上図の神社脇から小川沿いに
登っていく、(地図には無いが)林道が有力ではないだろうか。
現隧道の脇は急崖である。ここではないだろう。


とりあえず神社脇まで来た。奥に向かう林道がある。


林道をてくてくと登っていくが、どうも隧道があるような雰囲気ではない。

と、林道脇の上段になにやら道のようなものが見えた。

TEC「ちょっと登ってみますわ。」

と意気揚々と斜面を駆け上ってみたが…

とにかく微妙なのである。

道のようにも見えるし、ただの平場にも見えるし…



一度道に見え始めたらもう最後。地面が全て道に見えてくる。(写真にマウスを)
山において非常に危険な兆候が管理人を襲う。



これなんか「片隧道」に見え始める。
病気に近い。

で、盲目的に(本人だけは道と思って)登っていくと林道に出た。
両側が斜面になっているので、尾根に出たようだ。



現在地:社のある尾根まで来たようだ。

この時点で「ここに隧道が無い」のが確定。


林道を進めば神社に出た。非常に立派な造りだが、
残念ながら今回の探索に関係が無い。




結局もとの場所に戻ってしまった

ずいぶんハードな神社参拝だった。


気を取り直して、次は現道脇の気になる道を行ってみよう。


現道の脇にある斜面は上に上がれるようになっていた。
左に現隧道の坑門が見える。左端は山国川だ。



石垣があるがこれはフェイク。単なる林業用の石垣だ。
もう何もかもが道に見えるようになってしまった…

谷地形があるが、ここにぐにゃぐにゃと尾根に向かって登っていく道が見える。
幻覚かもしれないが、とりあえず僕が先行して登る。
急斜面だが、木をつかみながら道(に見えるもの)をたどる。

もう息も切れ切れ。

「道に見えて道じゃなかったら、多分他のところも道じゃないよ(^_^;)」
自転車のり氏冷静である。

今から思えば、なぜ僕はあそこまで上に登ろうとしていたのだろうか。
尾根に出てしまっては隧道が見つかるはずも無いのに…

で、皆がまだ谷底で探索している中、僕はまたしても尾根にたどり着いてしまった。

ぜえ、ぜえ…苦しい。禁煙したほうがいいな…


すぐソコが尾根だ。空がまぶしい。



のわっ!!

なんだココは!

尾根に着いたようだが、幅が1mも無い。そのうえ向こうは直滑降。
手をつけば、砂状にバラバラ砕ける地盤がむき出し。

立つことすら高所恐怖症の僕には出来ない。

ってか隧道なんかあるわけが無い。

「いったいドコにいるんだオレは!?」









一ツ戸隧道 日田側坑口


なんかとんでもない所まできたようだ(青ルート)




俯角(下向き角度)約90度の光景。
比較的簡単に死ねそうです。


まったく、ウロウロしすぎだ。

隧道や〜い。どこにあるんだ〜い!?


次は「現隧道の真上にあるかもしれない」と坑口の上に出てみた。



下に国道や川が見える。上のほうの図面で説明したとおり、
ここは人工的に作られた平場というか現隧道の直上のようだ。


このモルタル吹付け面はおそらく改修前の現隧道坑口上方にあたるのだろう。

ただし、旧隧道に関係が無い。



結局、現隧道の上にも何も無かった(茶色ルート)

一旦スタート地点の神社前に戻る。

一人ターボがむやみにかかっていた管理人は既にグロッキー。
しかも発汗体質なので、シャツは雨に打たれたよう…。

今後の検討をするが、結局は、
「情報が少なすぎる。いったん引き上げて情報を集めた後、後日もう一度来よう。」
という結論に達した。

残念だが、これだけ歩き回って無かったんだ。
あとは図書館にでもいって古文書をあたろう。



そして我々は現隧道を通って車に戻ることにした。














9回裏にサヨナラホームランを打つとは知らずに。


次回、笑劇の展開に括目→


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2008.5.22

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