ネタ その1
トンネル文学

隧道に関わる小説というのがある。

有名どころでは、菊池寛「恩讐の彼方へ」がある。
江戸時代に大分県耶馬渓において、過去に犯した罪を背に、
ひとり洞門を穿つ禅海和尚のお話。
一応文学だが、実際の洞門は現在も「青の洞門」として
残っているのはあまりにも有名。
まあ、これを「トンネル文学」などと呼ぶ人はいないがw

ここでは、管理人お気に入りの、そんな「トンネル文学」をちょっと紹介。


まずは、世界一のコレ。

「青函隧道」 三田英彬 著

昭和58年、先進導坑が貫通した北海道〜青森間の海底トンネルは
現在でもトンネル世界最長を誇る。(53.85km)
トンネルの掘削には多くの最新技術が投入されたが、それでも
当初予定をはるかに越える難工事となった。

わかりやすいトンネル工法解説や当時の坑内の写真等もあり、
当時の技術者達の心情も織り交ぜていて読みやすい。

「あ、コイツAmazonのアフィ始めやがった。いやらしいヤツだ」とか思わないでね。
多分このサイト見てくれた人全員が買ってくれても、一日の食費も入ってこないんで。
「青函隧道」なんて中古1円とかで売ってるし… あくまで参考としてw




続きまして、

これは一昨年亡くなられたノンフィクション作家、吉村昭氏の不朽の名作。、
トンネル関係者・必読のバイブル
管理人は高校の時に初めて読んでから16年。
20回以上読み返してます。

「高熱隧道」 吉村 昭 著

秘境黒部川に発電所を作るために、軌道トンネルを掘った男達の記録。
著者の作品はどれも、綿密な調査を基にしたノンフィクション文学と呼ばれる。

黒部渓谷に昭和初期、「黒部第三発電所」の建設計画があがる。
タダでさえ人間を拒み続ける秘境に、資材運搬、導水用の隧道が掘られることになった。
しかし、掘り始めた直後から温泉湧出帯にブチ当たり岩盤の温度は急上昇。
最終的に摂氏165度に達する。
灼熱の中の作業。暴発するダイナマイト。
そして作業員を襲う、人知を超えた雪崩。

そういった自然界の脅威に加え、
現場の技師と人夫の間にある絶対的な壁。
軍需産業のためなんとしても発電所建設遂行を迫る国。
絶対に貫通させるという情熱。
そんな人間模様を詳細に映し出した名作。

って、コレ高校入学説明会で「入学までに読書感想文書いてこい」っていって
入学者全員に渡された図書。なんでコレが課題図書になったのかいまだ不明。




で、この小説がとてもお気に入りの僕は、いつかやってやろうって思ってたことがある。






浜ノ上隧道にて、


いいでしょ? バカで。


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