特設ステージNo.7
薩摩街道 三太郎峠 「廃道をゆく２」への道
薩摩街道三太郎峠 佐敷太郎峠の４
先に言っておきます。
はっきり言って今回と次回のレポートは、これから峠に行って見ようという人には
あまり参考にならないし、「かつての古道を巡る」といった学術的な価値も
ほぼ有りません。
ご了承ください。
■どこが峠だ？■
感動的な江戸時代の道を登ってきた僕は、それとはだいぶ趣が違う
コンクリート舗装路をてくてくと歩き、峠と思しき場所までやってきた。
すみません前回の更新から8ヶ月経ってしまいました。
筆者すら前回までの内容忘れてたくらいなんで
これまでのページも参照してください。
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困ったことに、舗装路は国土地理院の2万5千分の1地形図に
載ってはいるのだが、このＴ字路が描かれていないないのだ。
あとで確認してみたら、どうやら左に行く道が描かれていないようだった。
まあこの程度のことは山歩きではよくあることなのだが、このとき僕は
「佐敷太郎峠に到達した」と思い込んでいたので、そのことを読みきれず
あとあとえらい目にあうことになる。
地形図が読める方でなくとも、上記の地形図を見れば、僕がまだ
「佐敷太郎峠には到達しておらず、手前（北側）にいる」ことが分かるはずだ。
そんなことに気が付いていない男の迷走をお楽しみください。
Ｔ字路にはよくわからないのだが、ヘルメットとその中身（多分コアラ）と
リュックが放置されていた。ここで何があったんだろう。
南を見れば芦北町佐敷地区が見えている。
ここが佐敷太郎峠だ！
（しつこいようですが違います）
Ｔ字路を右に行くとＮＴＴdocomoの基地局があり行き止まりだったので
左に進み、しばらくすると下り坂となり、カーブに差し掛かった。
アレがあった。
例のアレ。
道しるべはカーブの外側にある藪に突っ込んで行けと指示する。
このあたりで、地形図をにらみながら自分がまだ峠を越えていないことに
ようやく気づく。
現地では持っていなかったが、1974年の空中写真を参考に加工してみた。
この写真のほうが道路が忠実に確認できる。
ちょうどＴ字路のあたりを佐敷太郎峠の稜線から派生した
別の稜線が横切っている。これを北側稜線としよう。
これがまず僕が佐敷太郎峠と勘違いしたところである。
その北側稜線を越えて、佐敷太郎峠の本当の稜線のすぐそばまでやってきていた。
佐敷太郎峠はもう目の前だ。
「成り行き」という単語がふさわしい。
道しるべに沿って入っていけばこんな道だ。
結構なヤブであったが、
そのうち下り始めた。
そしてみかん畑に出てきた。
実は事前に車による調査で、佐敷太郎峠を越えたら
みかん畑と農道があることは確認していた。
↓こんな感じ。左が峠で右が目指す芦北町佐敷地区。
事前調査時に佐敷方面から上っていった農道
「みかん畑に出た」という結果から、
「ついに佐敷太郎峠を越えた！」
僕は結局どこが峠のピークだったのかは確認できなかったが
とりあえず峠を越えたと判断した。
みかん畑から見る佐敷地区…
佐敷地区が見えないのは気になるが、とにかく下っていこう。
みかん畑ということは私有地である。
あまり長居はしたくない。
と、眼下に道路が見えたので降りていった。
どうも事前調査時に通った農道とは違う気がする…
このあたりでうすうす「道に迷った」と分かっておりました。
だって目指す方向に海が見えるんだもん
僕が目指しているのは峠を越えた「南側」
海があるのは「西側」
前頁の明治国道紹介の欄で使った写真を見てみよう。
明治国道の佐敷太郎峠北側から西側を見た景色。
完全に一致。
海浦地区と言います。静かな港町です。
上のほうの空中写真に描いた北側稜線。
その北側稜線と佐敷太郎峠稜線に挟まれた
西側に下っていく谷に迷い込んでいた。
なんでこんなところに迷い込んでしまったのか。
どのポイントで僕は間違った道に入ってしまったのか。
だいたい、ちゃんと道しるべどおりに進んだではないか！
現地ではついにその原因は分からなかったが、
帰ってパソコンの画面見ながら、思いっきり首を垂れてしまった。
「情けない…。」
山を歩くことを職業にしておりながら…
いままで数百枚の地形図を眺めてきておりながら…
学生時代は一応「地形学」を基にした研究をしておりながら…
これは無い。
カーブのところの道しるべ。
そこを過ぎてすぐの場所
←この左側が佐敷太郎峠その場所であったのだ。
ここは峠の向こう側の農道。
稜線のすぐ脇を走っている。
僕はこの写真奥を右から左奥に歩いていたのだ。
佐敷太郎峠が左手5mの位置にあることに気づかず。
間抜けだ。
さてどうやって帰ろう→
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2011.10.10
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