国道213号線 トンネル12
国見トンネル
くにみトンネル   国道213号線
大分県国東市国見町伊美
改修 1978年(昭和53年) 延長 550m

さて、国道は国見町中心部、伊美地区を快走。
いったん南方向(半島中心方向)を目指す。



そして西の尾根側に道はカーブし、川を渡る。


次のトンネルが見えてきました。


国見トンネル 伊美側坑口

建設は1978年(昭和53年)だから今年30歳になった。

国道213号線の中ではナンバー2の延長を誇る。
しかし「古いほどエライ」という、やや一般からかけ離れた価値観からすれば
まだまだ新品・ヒヨッ子。東前頭十三枚目。


ちなみにこのトンネル、ここにあったものを改築したのではなく新設されたもの。

ではそれ以前の国道はどこを通っていたのか。

↓それでは旧道に行きましょう。




先ほど、川を渡るようにカーブしていった国道に対し、
そのまままっすぐ山のほうに行く道が分岐している
主要地方道国見山香線(県道31号)だ。
山道ばかりのくせに、最近やけに改良が著しい。


そのまま進むと、なんと信号付きの交差点が現れる!

「信号がどうしたんだよ!」

そう思われた友よ、アナタはまだ「国見町」を知らない。

今を遡ること30年前までは、南部の国東町富来からここまで、
20kmにわたって「信号が無かった」のだ。

「♪信号ネエ あるわけねえ オラの村には電気がねえ!


電気もテレビもラジオもあったし、車もそれなりに走っていたんだが…

ちなみに国見町内、今でも信号は4箇所しかありません。




自慢の信号(しかも点滅)の交差点で、左に行けば国東広域農道、
少し先に新涯隧道がある。そして県道は直進。一路半島中心部を目指す。

そして、


右を向けばトンネル。
これがかつての国道213号線です。
国見トンネル分岐からこの交差点までは県道になり、
隧道を抜けるまでが市道(広域農道?)となっている。


妙見隧道 伊美側坑口
みょうけんずいどう   国道213号線(旧道)
大分県国東市国見町伊美
竣工 1934年(昭和9年) 延長 454m

コンクリートブロックのアーチが美しい。手前には伊美橋という古めかしい橋も。
建造から70年以上経っているが、現役。地元車両が頻繁に通る。

ちなみに妙見隧道の名は、直上に「妙見社」という小さな社があるので
そこから来ているんだと思う。小字名ではないようだ。



中は坑口付近のみコンクリートブロック巻きで、あとは素掘り、
照明はもちろん蛍光灯という国東半島古隧道においての基本に忠実。


入り口には標識があって、一応高さ制限3.6mが堂々宣言されているが、
そんな大型は通らないだろ。常識的に考えて。

でも、


じつはバス路線である。

さっきの交差点に「国見中町」というバス停があるがために、
バスも国見トンネル側に路線変更せずに戦前からのルートを忠実に守っている。
地元にやさしいバス会社だ。

もちろんバスと一般車の離合が出来ないため、こうやって待ってくれる。
のんびりしたもんだ。



妙見隧道 竹田津側坑口
いろいろ標識があるのを見てもわかるように、現在も半島中心部に向かう車は
妙見隧道のほうを利用している。しばらくは現役だな。


←国見トンネル      妙見隧道→

このパターンが多いんよねえ。
「かたっぽの坑口は離れてるんだけど、出口は同じとこ。」

国道213号ぶち抜きツアー」読み返していただければわかるが、全てこのパターン。

要は、現役の隧道を共用しながら、新しいトンネルを建設する場合、
現在の道路を出来るだけショートカットさせるように造る。

ただし地形的に尾根幅が狭い部分を貫くほうが延長が短くて済むし、
現道もそうしてるんで、結局どっちかが近くなってしまう。

また、現道に並走させると、両坑口の直近で
新道取り付け工事が必要になる。
だから片方は極力近づけて、もう片方を離す。

そういった感じじゃないだろうか。道路計画の専門家じゃないからわからんが…


道は国見町最後の地、竹田津に入る。

まだまだ隧道オンパレードは中盤ですよ。
車のライトはちゃんと消灯確認してくださいね。
(管理人は既に点けっぱなしがデフォルト)




廃道者「って、おい、あそこ忘れてないか?↓赤いトコ。」



3代目「国見トンネル」
2代目「妙 見 隧 道 」
そして初代… 

実はここは廃道者たちの集う指折りの尾根だったのだ。

レポはちょっと待ってくださいね。先に213号仕上げます。

次もなかなか古隧道→

初代はこっち

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2008.6.16

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