国道213号線 トンネル15
貴船隧道
きふねずいどう 国道213号線(旧道)
大分県豊後高田市貴船(旧制香々地町)
竣工 明治29-34年? 延長 55m

国東半島沿岸の旅も後半戦、最後の自治体、豊後高田市に入る。
まずは最初の地。旧制西国東郡香々地町だ。

ってかwikipediaには「国東半島北部には10以上のトンネルが〜」とあるが、
新旧で1とカウントしても既に15である。(現道はここまでで12)
要編集だな、まだまだ続くし。


さて、

まずはじめに越すべき尾根、現道はトンネルが無いんだけど、
実は旧道にはかつて小さな隧道があった。

↓それが地図にある貴f…


って、どれだよ!!

この尾根。
標高も幅もたいしたことないのに、なぜか1km区間に隧道が4つもある。
こんなの隧道原理主義国である国東半島においてもここしかない。


ちなみにコレが今の国道。尾根をざっくりカットして2車線道路が通っている。
何か見えているが気にしてはいけない。
不自然だけど気にしてはいけない。あとで話す。
とりあえず右の道路に入ってくれ。



で、かつて国道であったのは地図の上から2番目のここ。



貴船隧道 貴船(東)側坑口
小さな交差点から横を向けば、ガッチガチに固められた尾根に穴が開いている。
しつこいようだが、コレが1953年5月18日に
「国道」として指定されてしまった隧道である。

資料(ってか地図)ぺらぺらやってたら、すごいことがわかった。


なんとコイツは

明治35年の地図に載っている。


明治35年測量 大日本帝国陸地測量部発行五万分の一地形図「姫嶋」
明治36年測量 大日本帝国陸地測量部発行五万分の一地形図「鶴川」

中央、神社マークの上が貴船隧道だ。
ということは豊後高田〜竹田津間の沿岸道路(明治29年〜明治34年建設)が
開通した際に建造された可能性大。
以降、おそらく数度の改修を受けながら、最終的に車一台通る幅が
確保されたのであろう。

ちなみに隧道の左手にある「You've got a mail.」のマーク。
コレは当時の「郵便局」の記号。やるねえ大日本帝国。



入ってみる。しかし見事な四角丸だ。
高さは結構あるので、路線バスなら走れそうだ。


内部はモルタルが吹付けられている。どうも最近も全体的に補修されたようだ。



貴船隧道 松原(西)側坑口
反対側に出てみる。
直崖に坑門なしで四角というのがインパクトでかい。




中心方向を望む。
これがかつての沿岸道路、後の国道213号線だ。
現在も地域密着型道路として活躍中。



これが同じ方向を向いた現国道。
旧道の100mほど山側になる。

ここから先の国道は基本的に、先に述べた明治中期完成の「沿岸道路」だ。
地形は国見町に負けず劣らず山谷繰り返すリアス式海岸。
「香々地町史」によれば沿岸道路には10の隧道があったという。

これは楽しみだ→


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2008.6.21

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