国道213号線 トンネル17
かんだや隧道
かんだやずいどう |
国道213号線(旧道) |
大分県豊後高田市松津(旧制香々地町) |
竣工
改修 |
明治29-34年?
1955年(昭和30年) |
延長 |
197m |
明治時代、既に交通の発達からは取り残されつつあった国東半島。
道はといえば、数少ない往還道はあったものの、ほとんどは山道。
こんな山道ばかりは歩けないと、半島西部の地元民が立ち上がった。
彼らは村の垣根を飛び越え、「道路改築組合」を結成。
とにかく高田の町(現:豊後高田市)から、竹田津の村(現:国東市国見町竹田津)まで
山道を行かずに海沿いに馬車が通れる道を作るべきだ。そうすれば漁村も潤う。
他の地域(都会)との交易も盛んになる。
最寄の駅まで徒歩2日でいける!
最後の話があったかどうかは不明であるが、とにかく
彼らの望みを乗せたツルハシが振り下ろされた。時に明治29年。
その後彼らは5年の歳月をかけ道を切り開き、10の隧道を掘った。
そんな歴史ある道「沿岸道路」。その道をトレース中です。
旧道は牛迫隧道を抜け、現道に合流することなくさらに続く。
センターラインは既に消え去っているが、明らかに片側1車線「だった」旧道。
このあたりは集落もなく、通るのは農作業の方々だけに思える。
カーブを曲がると隧道が見えてくる。
かんだや隧道 香々地側坑口
珍しくひらがなの隧道名だ。
おそらくこのあたりの字名に由来するのだろう。調べてないが。
金属製扁額がいい感じの錆び具合だ。
なにがいい感じなのか僕にもわからんが。
中に入れば、既に出口が見え、道路は一直線に次の隧道に突っ込む。
暗闇と新緑のコントラスト。いい感じの写真だ。
なにがいい感じなのか僕にもわからんが。
画角の邪魔になるから上手く隠したはずの愛車さえ見えなければいい写真だった。
かんだや隧道 豊後高田側坑口
隧道と隧道の間、明かり区間にはやはり現道への連絡道路が。(写真左)
坑口に小さなプレートが埋められていた。「昭和三十年三月竣工」。
これは牛迫隧道と同じく、昭和中期の改修ラッシュによるもの。
この時点で明治の隧道完成から60年近く経っている。
明治36年測量 大日本帝国陸地測量部発行五万分の一地形図「鶴川」
旧道連続区間はまだ続きます。
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2008.6.27
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