国東半島巡り 杵築市 
猪尾隧道(開削)
いのおずいどう   杵築市道
大分県杵築市猪尾
竣工 1903年(明治36年)? 延長 約10m

下野田隧道年田隧道と、迷走の末探索を終えた僕は、一路実家を目指す。
で、杵築市内に向かい国道213号線を走っているときに車窓から右手を見ると…



「あそこにもトンネルあったよなあ…」。運転しながら思う。

写真中央やや左寄りに尾根を切り開いて道が通っている。
国道からは300mほどあるだろうか。

子供のころ、この景色を見る時っていうのは別府や大分に行くときだった。
大分最北端に住んでいた子供にすれば、「別府に行く」ってだけで
「都会に行く」一大イベント。(ほほえましい)


ワクワクしながら父親の運転する車の窓から見ていた景色
そこにはトンネルが確かにあった。


大きくなって気がつくとトンネルは消えていた。

いつからだっけか…。と思っていたら、このサイト開設後、杵築出身という
「名もない通りすがり」様から貴重な情報がメールで寄せられた。

「道路改良工事の過程において開削されました。」
「たしか・・平成に変わる前後まではあったと思いますよ」

ということは20年ほど前のことか…




行ってみた。



猪尾隧道跡地

氏が言うには「素彫りの短いトンネル(10mくらい?)」だったそうだ。
いつも正面からしか見ていなかったが、そんなに小さかったのか。



傍らに隧道開通の記念碑が残されていた。


思いっきり達筆でなんて書いてあるかわからないが、左端には確かに
「明治三十六年」の文字が掘り込まれている。
なにげにすごいことじゃないのか?1903年だぜ?



国道側からやってきて隧道跡を通り抜けた景色。
向こうの尾根には年田隧道がある。

古い地図を見れば、二つの隧道は道的には一連のものとわかる。


昭和26年 国土地理院発行五万分の一地形図「豊後杵築」


明治の人たちはこの二つの隧道を通って、南部の沿岸集落と杵築市街地とを
行き来していたのだろう。浜の人たちが魚を担いで市街地に向かう姿を空想。




と、法面(のりめん:山を切って整形した人工斜面)の下になにやら穴発見。


覗き込むが意外に深い。
デジカメを突っ込んで撮影してみた。



コレハ、ナンデスカー!?

一応写真の上下はあっている。
昔の水路だろうか?ってことはこれが旧隧道の端っこにあったってことか?
まったくわからないが、


危ないんでもっとちゃんと塞いどいてください。



おわり

※「名もない通りすがり」様情報ありがとうございました。

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