想い〜その1 サイト開設にあたり想うこと


たくさんの道を歩いてきた
たくさんの道があった



家の前の道は僕が生まれたころ舗装されていなかった
覚えてないけど 家の周りの道が自分で動ける世界のすべてだった

5歳のとき 家族みんなが山の畑に仕事に行ってしまい
さみしくなった僕は 初めて一人で歩いてその世界から出た
とぼとぼと歩いて畑に着いたとき みんなが驚いていたのを覚えている



小学校は歩いてその山を越えて通った
野球の練習で遅くなると、帰るのが怖かった

高校は片道15kmを自転車で通った
ほんとにきつかった
その道をはじめて出来たガールフレンドと並んで帰った



遠くの街の大学に入った僕は 20歳のとき初めて車を買った
何かに取り付かれたかのごとく走り回り 道を覚えるのが楽しくてしょうがなかった



いつからか僕は山道を選んで走る人間になっていた
いつからか僕は新しいトンネルの横に細い道があると入っていく人間になっていた



「この先が行き止まりだったらどうしよう」
そう考えながら走るのが楽しかった


いつから古い道に興味を持ったのかは覚えていない

どの道も誰かがつくった道で 誰かがトンネルを掘った道だ
そして多くの人々が通った道だ

そんな歴史のカケラみたいなものに触れるのが楽しかったのかもしれない

まだまだ人々を通す道もあれば その役目を終え森に沈む道もある


誰かが作った道 忘れられた道

僕ももう一回通ってみます



なんてね
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