特設ステージNo.3
チギリメン隧道



これから紹介する話は、



本当にあった話です。




これはある人から聞いた話です。




あ、このサイトによく登場する人ですけど。




でも、地元の人もかなり覚えているはずです。




でも、




それを記す一次資料(文書)をまだ発見していません。




でも、ホントの話です。



不確定で申し訳ないんですが、


はじめます。




探検隊チギリメン隧道に行く その3

■チギリメン隧道 幻の復活計画!!■

コレまでに書いてきた様に、チギリメン隧道は1891年(明治24年)に開通し、
その後1934年(昭和9年)に妙見隧道が開通することでその役目を終えた。

おそらくその後も通行する地元の方もいたであろうが、
現在は報告の通り坑口崩壊により、通る人っていうか入る人は
ちょっとネジの緩んだ一部の人間だけになっている。





話は変わって、ちょっと竹田津地区に戻ろう。



崩れた坑口を探しに行く途中に見た景色。
マウスを乗せると、干拓地を表示する。


竹田津干拓。
昭和36年起工、同41年完成。埋め立て面積37ヘクタールの干拓地だ。
箕ヶ岩隧道で述べたように、完成後に減反政策が始まり、
現在ごく一部しか耕作地として使われていない悲運の干拓地。

ま、減反云々はいいとして、この干拓地、事業計画当初から問題にぶち当たっていた。
しかも干拓地としては根本的な問題。


国土地理院発行 2万5千分の1地形図「竹田津」

お分かりだろうか?


水が無いのである。


竹田津地区の谷は浅く、大きな川が無いため、
広大な干拓地をカバーするだけの農業用水が確保できないのだ。


そして白羽の矢が立ったのが隣の伊美谷。
上図の右端に見える「伊美川」から水を引っ張ろうという計画だ。

早速準備にかかったが、問題が発生した。

伊美の人「まてまて、こっちだって田んぼがあるのに、水持ってかれたら困る!」



確かに伊美谷のほうが耕作地が広い。
しかし、水が来ないことには干拓してもしょうがない。
議論の結果、伊美側から譲歩案が提示された。

伊美の人「中流から取水されると困るが、一番下流ならいいよ。」

最下流なら確かに伊美谷の耕作に影響はないだろう。

よし!取水の問題は解決だ。

あとは、

「どうやって山を越して竹田津側に送水するか?」である。




一番それが問題じゃね?

議事録(架空)

  計画者A「そんなん、ポンプで吸って尾根まで上げて、あとは流下させればいいじゃろ。」
  計画者B「まてまて、尾根まで上げるの?ポンプどんだけ強力なヤツ使うんだよ。」
  計画者C「タダでさえ下流からいったん上流に上げる必要があるんだぜ?」
  計画者D「出来るだけ高度をあげないようにトンネルとか掘るか?金かかるけど。」

一同「トンネルかあ…、う〜ん…」

一同「!!」

一同「あるわ…」

かくして、あの隧道水路トンネルとして生まれ変わることになった。



竹田津干拓用水計画(想像図)

水路といってもおそらくは太いパイプを隧道内に設置する程度のことだろうと思う。

もし計画通りに進んでいれば、チギリメン隧道は現在のような廃道ではなく、
ある程度は整備のされたものになっていたであろう。

しかし詳細は不明だがこの計画は白紙となり、
現在伊美川からの揚水は行われていない。
隧道内にもそんな形跡はない。

そこまで大規模な稲作が竹田津干拓で行われていないってことで問題ないのだろう。



さて、不確定な伝聞でレポートを書いてしまったが、
ひとつだけ、その計画の痕跡が国見町に残っている。


ここは伊美川の下流の堤防である。
チギリメン隧道は右側の尾根の中腹にある。

で、手前の川岸に何か見える。
なんか四角いものにパイプが繋がっている。

コレは「揚水ポンプ」と言うものではないのか?


で、目を右に移すと、


なにやら白い建物とタンクのようなものが見える。

コレは「ポンプ小屋」と言うものではないのか?




戸はさび付き、ガラスも割れている。現在は使われていないようだ。

全てが上で話してきた竹田津用水計画に符合する。
ここが取水位置だったと思っていいようだ。

しかしなぜ現在使われていないとはいえ、コレだけの設備があるのだろう。

あるいはチギリメン隧道を使わない送水が一時期でも行われていたのだろうか。

謎は深まるばかり。引き続き調査を続ける。
(調査:伊美方面の知り合い片っ端から捕まえる作業)




とりあえず明治生まれの隧道は現在はゆっくりと眠っています。

たまに起こされますけど。




チギリメン隧道探検、とりあえず完了


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2008.7.22


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