2009GW 突発OFF in国東
1日目 その6
横城隧道は特別な隧道です
さて、実に内容の濃かった1日目もそろそろ終わりだ。
実は残念なことに参加者7名中、taihei氏とjuncom氏は仕事の都合により
1日目だけの参加であり、あと少しでお別れなのだ。
で、掛樋隧道探索後、僕はtaihei氏を捕まえて、
「せっかくなんで、あの隧道連れてってくださいよ〜。」
とお願いした。
あの隧道とは、現在地からは程近い場所にあり、
さらにわかりにくい場所にあり、
現在のところサイトで発表しているのはtaihei氏だけという隧道。
名を所在地からとって「横城(よこぎ)隧道」という。
いったん海岸部の国道213号線に出て、そしてすぐ山のほうに入っていく。
さて、どんだけわかりにくい場所かというと、
行ったことあるはずのtaihei氏も、迷走する僕の車の中で
携帯を取り出してマピオンに接続しているくらいだ。
ってか、この隧道もやはり1/25,000地形図には描かれていない。
国土地理院発行2万5000分の1地形図「下原」
マウスを乗っけてもらうとグーグルアースによる衛星画像となるが、
小さな小さな尾根を貫いていることがわかる。
taihei氏「あ、ここだここだ」
見覚えのある分岐点だったのだろう。我々は狭い道へと導かれた。
そして畑の中を進んでいくと、
あった。
横城隧道 安岐側坑口
よこぎずいどう |
杵築市道? |
大分県杵築市横城 |
竣工 |
不明 |
延長 |
10m |
早速尾根越えを始めるnagajis氏とマフ巻き氏。
なぜだ?
さて、長さも10m程度で、素掘りながらも舗装されて現役の隧道。
さして珍しくもないだろう。(国東的には)
しかしながらこの隧道。
国東半島において一箇所しかない特別な特徴がある。
それは何か。
坑口付近の内壁である。
そしてコレが一般的な(?)国東の素掘り隧道。
おわかり頂けただろうか…(TVの心霊写真紹介風に)
石がゴツゴツしていないのだ。
この隧道、地質がまったく違うのである。
国東半島は両子山をはじめとする火山によってもたらされた
火山岩を含んだ堆積岩によって形成される。
100を超える国東半島の隧道のほとんどはそれを貫いている。
が、この横城隧道はというとこれだ。
風化花崗岩
一般的に言う「御影石」がボロボロに風化した岩石。
園芸店とかで売っている「マサ」と言えばわかりやすいか。
実は国東半島の基盤は「領家花崗岩」と呼ばれる花崗岩で、
その上に半島が乗っかっている格好になっており、花崗岩が地表に
姿を現しているのは下の3箇所のみ。
で、
上図の赤丸のところにある素掘り隧道はここだけ。
つまり
「国東で唯一、花崗岩帯を貫いた素掘り隧道」
なのである。
面白くない?
ま、普通の人は面白くないかも…。
ちなみに風化花崗岩というのは非常にトンネルを掘りやすいのだが、
水を通しやすく崩れやすい。
花崗岩は西日本では中国地方に多く分布している。
新幹線や高速道路で広島〜山口を通過中に、岩がゴツゴツ露出してて、
松くらいしか生えていない山が見えるが、アレ。
そのため、先般(2009年7月)の集中豪雨では山口県で甚大な被害を出し、
終戦直後の枕崎台風では、広島県の大野や呉で発生した土石流によって、
台風が上陸した鹿児島以上に多数の死者・行方不明者を出した
(柳田邦男著:「空白の天気図」に詳しいので読もう)
特に広島県は全国で最も土砂災害が多い県のひとつ。
すべてこの花崗岩のせいなのである。
以上、ためになるかどうかわからない地質講座でした。
さて、1日目すべての行程が終了。
みんなの車を停めている黒津崎海水浴場の駐車場に戻ってきた。
チョメ氏撮影
ホントに残念ながらtaihei氏とjuncom氏はここでお別れ。
雑談などしながら一日を振り返る。
非常に内容が濃かった。またどこかでやりましょう。
さて、残った我々は宿泊地「国東サイクリングターミナル」に移動しチェックイン。
僕は車で20分走れば実家なのだが、そんなんこのメンバーがいるのに帰るわけがない。
で、5人で二部屋。
さて、部屋割りはどうしようということになったが、
やはり「タバコを吸う」という理由で、僕とnagajis氏が同部屋となった。
ゆっくり風呂につかり、一杯やりながらご飯を頂き、
さらに部屋に戻って、各人持込の「秘蔵の酒」が注入される。
そうなるとあとは大トーク大会。
これがメインなのではないかと思われるほどの盛り上がり。
各自、こんな趣味を始めたいきさつや、今までやってきた馬鹿なこと自慢。
さらにはここでは書けないようなこと、特に(以下自粛)
各サイトの管理人が集まっているわけで、これは楽しい。
コレもまた内容の濃い時間。
内容を詳しく書けないのがホンッッットに残念(笑)
マフ巻き氏は自販機で酒を追加購入してきて飲んでいる。
何者だ。さすが一番若いだけある。
僕はというと、チョメ氏持込の梅酒に酔ってしまい、ぼんやりとしか覚えてないし、
写真も撮っていない。ま、これは撮らなくて正解かも知れん。
さて、寝るぞ。
明日もトンネル三昧だ。
ひゃっほー!
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2009.7.31
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